『知らなきゃマズい?! 不動産投資の基礎知識』

 

 

民法改正による賃貸借契約の注意点【2】

 

 

いよいよ民法が改正され、新しいルールが施行されました。

前回のコラムでは、賃貸借契約に関するルールの変更点についてお伝えいたしました。

4月1日に施行された民法改正で以下に記載した通り賃貸借契約に関するルールがいくつか変更となりました。

 

 

賃貸借に関する改正のポイント

 

〇 賃貸借継続中のルール

・賃借物の修繕に関する要件の見直し

・賃貸不動産が譲渡された場合のルールの明確化

 

〇 賃貸借終了時のルール

・賃借人の原状回復義務及び収去義務等の明確化

・敷金に関するルールの明確化

 

〇 賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルール

 

 

今回は「賃貸借終了時のルール」「賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルール」についてご説明させていただきます。

 

 

賃借人の原状回復義務及び収去義務等の明確化

 

賃貸借契約が終了した場合、賃借人は賃借物を元の状態に戻して賃貸人に返還しなければならないと解釈されています。

 

この原状回復義務の範囲は、一般的に賃借物の通常の使用によって

生じた損耗・経年変化はその対象に含まれていないと解釈されています。

 

これらのルールは改正前の民法の文言上は明確ではありませんでした。

 

賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損傷について、原状回復義務を負うこと

しかし、通常損耗や経年変化については原状回復義務を負わないことを明記しました。

 

 

敷金に関するルールの明確化

 

改正前の民法には「敷金の定義」、「敷金返還請求権の発生時期」についての規定はありませんでした。

 

改正後の民法では、これまでの実務に従い、敷金を

 

「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務、その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の

賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で賃借人が賃貸人に交付する金銭」

 

と定義しました。

 

その上で判例に従い、賃貸借契約が終了して賃借物が返還された時点で敷金返還債務が生じること

その額は受領した敷金の額からそれまでに生じた金銭債務の額を控除した残額であることなどのルールが明確化されました。

 

 

賃貸借契約により生ずる債務の保証に関するルールの見直し

 

今回の法改正では、極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効とするというルールが新たに設けられました。

 

※「根保証契約」とは、将来発生する不特定の債務について保証する契約をいいます。

例えば、不動産の賃借人の一切の債務の保証がこれに当たります。

 

根保証契約を締結して保証人となる際には、主債務の金額が分からないため

将来保証人が想定外の債務を負うことになりかねません。

 

個人(会社等の法人以外の者)が保証人になる根保証契約については

保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ、保証契約は無効となります。

 

この極度額は「○○円」などと明瞭に定め、書面に記載しておかなければなりません。

 

また、個人が保証人になる根保証契約については

次の事情(元本確定事由)があったときはその後に発生する主債務は保証の対象外となります。

 

①債権者が保証人の財産について強制執行や担保権の実行を申し立てたとき

②保証人が破産手続開始の決定を受けたとき

③主債務者又は保証人が死亡したとき

 

「賃貸借契約」についての民法改正は、今まで解釈によっていたものが、明確化されております。

賃貸経営を行う上で「賃貸借契約」は必ず内容を把握しておく必要があります。

 

 

 

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「住居確保給付金」の支給対象拡大

 

新型コロナウィスル感染拡大に伴う収入減で

賃貸住宅の家賃支払いが困難になる人が今後ますます増えることが予想されます。

 

この救済策の一つである「住居確保給付金」支給要件が緩和されます。

 

賃料滞納の恐れがある入居者に対して有効な制度ですので

家賃の支払いについて相談を受けた場合は、この制度を活用し家賃滞納防止に努めてください。

 

厚生労働省HPより

https://www.mhlw.go.jp/content/000626236.pdf

 

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